少し前まで日本橋三越で開催されていた美術家・田窪恭治の展覧会、「風景の断片 田窪恭治展」のパンフレットを、ふとしたきっかけで知人からいただいた。
そのなかの略歴を見ていたら、彼が今治市生まれであることが記されていた。
同郷のひとであったことをはじめて知った。
もう20年程も前になるだろうか、NHKの「日曜美術館」(「新日曜美術館」に改名されていたか?)で彼の、フランスにある小さな村の朽ち果てた礼拝堂の再生プロジェクトを特集した回を印象深く観たのを思い出した。
そのときは、もちろん今治生まれであることなど知らず、インターネットでささっと調べるなんて環境にもなかったし、印象深くは観たものの、田窪恭治という美術家のことを調べたり、他の作品を書籍などからであっても鑑賞したり、ということもなかった。
縁という程大げさなものではないにせよ、ヒトやイキモノやモノや、その他諸々のあらゆる事象や、それらのあいだにある、そんな些細な、小さな共通項やら関係性やらの集積で世界はできあがっていっているのかななんて、ふと思ったりした。
※あとで調べてみたら、
1997年8月31日にNHKで放送の、
であった。
ちょうど18年前の今頃だ。
私が1ヶ月程のバックパックでのヨーロッパへの旅で、コルビュジエのロンシャンの礼拝堂を訪れたのもその年の夏のことだ。
この年の夏は、私自身にとって大きな出来事が(それもうれしい出来事が!)幾つか重なって印象深い。
ちなみに、この回の番組内のアートシーンに「アトリエ村に集う夢」というタイトルがあるが、これはブレイク直前の村上隆がとりあげられていたのではなかろうかと思う。(違っていたら、ごめんなさい。)
映像の中の、野望に満ちた目をした村上隆をこれも印象深く憶えている。
「風景の断片 田窪恭治展」パンフレットより
夜道を歩いた。
昨晩の月。明日は、下弦の月。