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by onsa-brother

たび感

旅の空、の感じが好きだ。
しかし、ここ数年はその感情にも変化があって、できれば何処にも行きたくない。
決して此処が好きだから何処にも出掛けて行きたくない、という訳でもない。
不確定要素があるから、旅は私を魅了していたのだが、今はちと違う。

いま若者の間ではヒッチが流行っているのだという。
(ほほ~ん、そうなのか)程度で、別になんら他に抱く思いもない。
ただ、女の子の場合は危ないから気を付けないといかんよ、
もっというと、女の子のヒッチはいけませんよ、と思うくらいだ。
若いひとたちのそれらは本人たちの判断で、そんなこたぁ、知ったこっちゃなくて、
だって私も散々、訳の分からない論理で、訳の分からぬ行動で、訳の分からぬ旅をしたのだから。

それはさておき、中年になった今の自身における旅感を思ったとき、これはもう、どうもいかん。
不確定要素がだめになってきた。
予定通りに、その通りに行程が運ばなければいけないというのではない。
下調べして、想像した通りの感動がなければだめだという、わがままなものでもない。

結果が求められているのだ、自身が自身に対して要求する結果が。

旅自体の本質、目的が変わってしまったのだ。
もっといえば、自身に対する旅の概念自体が、かつてのそれとは違うのだ。
要は、結果が伴わないそれは、私にとって、もはや旅ではない。
あくまでもそれは、今現在の私としての旅の概念ではあるのだが。
簡単にいうと、いまの私にとっての旅とは、ドサ周りの感じの旅だ。

落語「猫の皿」のハタシのようではいかん訳で、高麗の茶碗を見事せしめるか、
或いは、抱えたゴミを、これはいいものだと価値を見出してくれた他者に、
それなりに納得して引き取ってもらわなくてはならぬ。
それには、ある程度の推察、想像、想定、落としどころ、の青図が描かれておらんくてはならなくて、
だがしかし、今の私にはそれがない、実力不足なのだ、勘どころがよくないのだ。
もはや、思いがけないハプニングや、想定外に起こった面白い出来事などには全く興味はなく、
ある程度の想定内に収まった中で旅が展開され、結果が伴っていないとだめだ。
帰ってきた後の生活に影響するからだ。
目的があってそれを遂行するために出かけ、ある程度の結果をもって帰ってくる、
それが今の私にとっての旅なのだ、なんともつまらないね。
だがそれが今の私にとっての現実であるのだ。

呑気な旅を続けたつけが回ってきているのだとも言える。
呑気な旅は、生きて帰って来られたのならば、楽しくって、思い出に残って、それはそれでよいのだが、
実は何も残さなかったのだからね。

ゴールデンウィークに旅行に出かける人たちを横目に、いいなぁと羨ましく思いつつ、
だが私は結果を出さなければいけない旅を、不確定要素の中でしなければならん。
不確定要素が大きいので結果が出る確率は低い。
あぁ、つまらん、できれば出かけたくないのだな、でも、出かけんくてはならん。
出発前の重い荷物以上の重い荷物を抱えて帰って来なくてはならぬ状況だけは避けられることを願って。









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by onsa-brother | 2017-05-02 21:35 | ・雑記