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by onsa-brother

無題

暑い夏は、ジッポーライターに充填したオイルを思いの外早く気化させるので、不経済だ。
吸いたいときに、じ、じっ、という情けない火花を散らすのみで火が点かなかったり、
仮にうまくタバコが吸えたとしても、息苦しくってまずくってやってられぬ。
暑い暑いとばかり言っておっても暑さがつのるのみなので、言わないように我慢していても、
そんなもんはへったくれとばかりに暑さは押し寄せてくるので、もう逆にそして半ばキレ気味に
「あぁ、くそ暑い、くそ暑い、ばかやろう!」と大声で叫びたい衝動にかられたりする。

世の中の気分というものに腹が立つ。
その気分に自分も乗っかってしまうからだ。
本来世界は美しいはずであるから、美しい均衡で成立しているのであろうから、
それでよい、それがよいのかもしらぬが、なにかこう、操り操られなどという意味ではなく、
なにか釈然としないもやもやっとしたものを、そのままにしてしまう自分に腹が立つのだ。
気付かぬうちにふわっとそこへ寄せてしまう自分であればまだましなのだが、
どこか自身で気付いておりながら、それはあまり本意でないと認識しながら寄って行ってしまっている、
そんな自分に腹が立つのだ、要は中途半端なのだ。
どうあろうと美しいはずであろう人生も半ばをとっくに過ぎているのに、その美しさを知らず、
世界に対してどう振舞ってよいかも未だ分からず。

あの片側3車線の交通量の多い秩序がないようで実は存在する道路を渡るのに、
まずは左だけを見て道の真ん中まで渡り、今度は右だけを見て反対側まで渡り切るというコツを掴むまでに1年以上を要した。
通りの名を覚えるのは尚困難で、東西南北を認識するのは更に困難、タクシーをつかまえ、
酔いにまかせて感覚だけで行き先を告げ、へんてこりんなやりとりをしながら目的地の女郎宿に辿り着けたのは、ほとんど奇跡であるとしか言いようがないのだ。
あの夏とこの夏の気温はほぼ同じで、違いは湿度のみで、日陰に居ようとじとじと暑く不快なのか、日陰に入ればからっとしていて以外に心地よく過ごせて、という違いにおいて、どちらを選択すればいいのかということは、おそらくはできないのだろう。
数年前にいた場所の雑踏は、もう質が変わっていて、わたしの好きだった場所ではなくなっているだろう。

10年のパスポートももうすぐ期限切れか、或いは期限を既に過ぎてしまっているだろうと思う。
あぁ、暑い暑い今年の夏。







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by onsa-brother | 2017-08-10 18:41 | ・雑記