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by onsa-brother

夢をみた


知人が、自身の死期を知り、生きている間にその集大成とでもいうべき、
作品展を開催したので、観に行った。
膨大な数の芸術作品群、多様な表現手法
(バーチャルな映像から、ペインティング、コラージュ、立体作品、
アニメーション、インスタレーション、音響等)、
緻密で絶対的な構成力のその作品展は、今まで私がみた展覧会の中でも
圧倒的であった。

個展を行った、アーティストであり、デザイナーであり、建築家のその知人に
会場内を案内してもらいながら、
作品の制作手法や、使用された道具とその種類、作品制作の時系列などが訊きたくて、
また、展覧会のカタログの有無、無いのであれば、作品を写真におさめたいがそれは可能かなど、
作品を味わい、感じるよりなにより、その前に何とかこの空間を、展覧会の記憶を、
私自身の中に少しでも記録として留めおきたいという欲求が先にあった。

全身全霊のこんな表現はありえないと驚愕した故に、知りたいという気持ちから、
質問ばかりが頭の中に浮かび、あまりに無粋な問いばかりなので、訊くこともできず、
急に息が詰まって、少し落ち着くためひとりになりたくなり、
「ちょっとトイレへ。」と私が云うと、
「じゃあ、俺もついでに。」と知人。
(そうではなくて、この混乱した俺を一旦おさめるためにひとりにしてくれよ。
ここは凄すぎて、あなたのエネルギーに私はいま耐え切れないのだ。)

と思ったところで目が醒めた。

数日前の明け方にみた夢だ。

知人は実在した人物。
展覧会は夢の中のもの。
夢に居るときには、はっきりとした像で、確かな感触があったのに、
目覚めてみるとおぼろげである。
曖昧なイメージが残るのみだ。
くやしい。
なぜ、彼の了承など得ずに、記録としての写真を撮りまくらなかったか、
或いは、味わい尽くさなかったか。
これは私がみた夢だが、彼の存在がなければみれなかった訳で、
それは確かに彼の作品群であったといえる、私のものではない。

もう一度、その作品をしっかり確かめるためにみたい夢だ。

いまこの世にはいない彼の、
私が夢の中でみた作品展は、
本当に素晴らしかった。









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by onsa-brother | 2016-08-17 21:21 | ・雑記